2017年8月4日金曜日
KIMONO IROIRO 帯締め 帯揚げ
和装小物の代表格、帯締めと帯揚げです。
着付けのお稽古で、帯結びまで到達された生徒さんはご存知かと思いますが、先ず、この帯締め(綺麗な色の組み紐の方です)が無ければ、名古屋帯も袋帯も締めることが出来ません。
とても重要な紐です。
この帯締めをきちっと締める事で、帯は綺麗に締められた状態を保てます。
きつ過ぎず、緩すぎず、加減を覚えて締めなければいけません。
そこで重要になってくるのが、材質と製法です。
帯締めは良質な物を使いましょう。
何故かというと、手組みで質の良い絹糸で組まれた帯締めは、締め心地が良く、帯結びが崩れるのを防いでくれるだけではなく、締め加減が出来るからです。
これは、自分で着られるようになってから、実感できると思います。
機械組みとの差は、言葉で伝えにくい部分ですが、やはり人の手で組まれた紐の方が良いのです。馴染んでくれます。
次に帯揚げです。
画像の山吹色の方ですね。
帯を結ぶ時に必要な 帯枕を隠してくれます。
帯揚げも、綺麗な結び方をするのには練習あるのみです。
そして、見える分量の加減で、着姿が粋にもなり、野暮ったくもなります。
この帯揚げのように、絞りの物もありますし、染の物もあり、TPOを知らなければ選びようがありません。
帯締めも帯揚げも、礼装から普段着まで、合わせる種類があるのです。
どちらもコーラルが大切にしている物です。
帯締めは 伊賀の組み紐で、笹波組みという名前です。
5色の絹糸で組まれています。房の部分を見ると、相当の本数の糸で組まれていることが解ると思います。
帯揚げは、大小姉さんが使った 振袖用の総絞りです。
こちらも手絞りです。
染める前が、白の画像です。
角の様に尖った布が密集しています。
これも、手で糸を縫い、巻いてあります。
きつく巻かれた糸に隠れた部分の布は、染料が染み込まないのです。
ですから、染めた後に糸を解きますと、その部分が白いままです。
組紐も絞りも、手仕事では数ヵ月の時間をかけなければ完成しない物です。
非常に根気のいる仕事なのです。
どちらも、買い求めてから相当の年数が経過しています。
帯締めの収納は、着物好きな方々は色々工夫されていると思います。
コーラルは、二枚目の画像の様に、房部分を本体で押さえるように結び、三枚目の画像のように、その結び目が真ん中に来る結び方にして、帯箪笥の小引き出しに収まるように保管しています。
房に紙を巻く方もいらっしゃいますが、この収納方法が良いと思っています。
この結び方を習得したいと、皆さん頑張っていらっしゃいましたので、そのうち動画を載せたいと思っています。
さて、余談になりますが、この帯締め帯揚げなどの和装小物は、ピンキリです。
2千円そこそこの物から、何万もする物まで、10倍、20倍の価格の開きがあります。
着物好きな方へのプレゼントにしようと買いに出かけたら、その値段に驚いたという方がたくさんいらっしゃいました。
コーラルの方針は
分相応の範囲で、なるべく良質な物を吟味して買い求め、長く大切に使う です。
これは和装に限った事ではありません。
過去にこのような事がありました。
留め袖などに使う、白の礼装用帯締め帯揚げを注文して下さった生徒さんが居ました。
お値段は3万円位でした。息子さんの結婚式の際に使われました。
彼女は着物を好きになって下さった、随分昔からの生徒さんです。
その彼女のご友人が、やはりお子さんの結婚式で黒留め袖を着ることになりました。
そして、彼女に 白の帯締めと帯揚げを貸してくれない?と言ったのです。
彼女は、桐箱に保管していたセットを貸しました。
ところがです。
ご友人は、それを汚してしまったのです。お食事の際に、とても目立つシミを付けてしまいました。クリーニングでも落ちませんでした。
そのご友人から、コーラルに依頼がありました。
白の帯締めと帯揚げの新しいセットを、彼女に送って欲しいという事でした。
渡されたのは1万円です。
双方が不快な思いをされたわけです。
生徒さんには、自分が本当に大切にしている物を、むやみに人には貸さないことを伝えました。 貸すのであれば、そのままの状態で返ってくるとは限らないという事です。
ご友人には、必要不可欠な物は、レンタル業者さんなどで借りるか、或いは自分で買い求めるように伝えました。
自分にとっては一回きりのどうでもよい物でも、人にとっては大切で価値ある物である場合があるからです。
物の価値が解るようになると、人に貸すことに抵抗を持つようになります。
当たり前の事です。
物の価値が判らないままですと、借りる行為にためらいが無くなります。
そうして、物を大切にしている人は、そのうち、人から 貸してと言われなくなります。
同じように、物を大切にする友人が出来る事でしょう。
価値を知らないままで行きますと、そのうちに、それ頂戴 と平気で言えるようになります。
ポンとくれる友人が増えます。あげても惜しくない物をです。
どちらになるかは、皆さん次第だという事ですね。
着物塾、次回をお楽しみに。
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