あーっ、ノイローゼになりそうだーーと叫べるうちはまだ良いのだ。
数年前に心療内科を受診した時は、叫ぶ気力もなく、急に涙が溢れてくるは、頭は重いは、死にたくなるはで、どうにも鬱々から抜けられなかった。
ドクターが良いドクターかどうかを見極めるのも億劫で服薬を開始したが悪化した。
カウンセリングを受けた時に、ふと、クリニックを替えようと思った事が幸いだったと思っている。
今のドクターは、幼少期からの事を、かなり細かく尋ねてきて、それをもの凄いスピードでメモして行く。
聞き取り調査だけで、3回は受診したのではなかろうかと思う。
一時は、任意入院を薦められたが、それは、心身ともに、休養するという事だった。
それが出来れば、抑うつ状態になどならなかったし、現実的に、休養する事は難しかったから、入院はしなかった。
それでは、1週間くらい、近場のシティーホテルで寝たいだけ寝るという提案もあって、是非そうしたいとは思ったが、せいぜい2泊だ。
それでは効果が無いというので諦めた。
ノイローゼは、今は不安神経症と呼ぶらしい。
キツいな…と思うことが長引いたり重なったりすると、誰だって叫びたくなる。
その原因が、アタシの場合は、仕事ではなくて、家庭内にあった。
当時(今もだが)アタシの負担になって居たのは、育犬ノイローゼ、つまりパズーの事だった。
可愛く、大切な家族だが、パズーは病気持ちの犬だ。てんかんにヘルニアに甲状腺。更に、耳も歯も、指間も炎症を起こし、肛門嚢破裂の血みどろ事件まであった。
元気な時は良いが、アタシは散歩が苦手なのだ。
昨年、大往生した知人の飼い犬は、なんと、16年間、予防接種以外で動物病院にかかった事が無いと言っていた。
パズーは毎月、薬を貰いに行かなければならないし、投薬は12時間毎で欠かせない。 錠剤を指示どうりにカットせねばならないし、液体のホルモン剤の目盛りを間違えるわけにはゆかない。
歯磨きに耳掃除、バリカンがけもだ。 定期的に、薬の血中濃度も調べなければならない。
12時間毎の投薬と、発作が起きた時の事を考えると、アタシは旅行にも行けないし、外出は、大きい姉さんが居る時に限られる。
2~3時間くらい大丈夫だと言われても、そう思える人も居るかもしれぬが、アタシは、そう思えない性格だから仕方がない。
乳飲み子を留守番させて、ふらふら外出出来ない母親と同じなのである。
そこへきて、Tが転がり込んで来たものだから、主治医は注意深くアタシを監察していた。
しかし、抑うつ状態が再発する事は避けられた。
腹を括ったからだ。
もう、自ら腹を括るしか術が無いと思ったからだ。
パズーを可愛く大切だと思う反面、疎ましさがあるという事実は、なかなか書けなかった。
負担だとも書けなかった。
こうして書く気になったのは、腹を括って最善を尽くしていると思えるようになったからだと思う。
老犬の介護経験が無いのが不安だが、あとは野となれ山となれだろう。
命を預かったからには、育てねばならぬ。看取らねばならぬ。
だから、自由人は、無闇にペットを飼ってはいけない。
なんとかなるさと思ってはいけない。
ペットを飼う癒し効果が言われるが、責任が伴うという事なのである。
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