2017年8月27日日曜日
台所の日
気が向くというのだろうか。
今日は自分の時間を止めにして、台所の日になった。
何故だか、次々と常備菜が頭に浮かび、気が向いたのを幸いに、4種作り置き。
常備菜とはいっても、我が家の場合は3日、よくて4日持てば空になってしまう。
遅い帰宅の日の軽めの晩御飯、そしてお弁当があるからだ。
左下:芽ヒジキと梅の炒り煮(金ゴマたっぷり)
右下:ゴーヤとツナの甘辛炒り煮
左上:グリーンピース入り炒り卵
右上:長崎揚げ蒲鉾と玉ねぎ人参のピリ辛炒り煮
冷めたら、冷蔵庫の一番奥に並べておけば、家人は勝手に食べるだろう。
ふーっと休憩に入ったら、幼馴染のJちゃんから、残暑見舞いのメールが届いた。
Jちゃんは、週末ともなれば、いつも美味しいケーキを手土産に遊びに来ていた。
そうして、一緒に晩御飯を食べるから、当時の食卓は大きくて、椅子も6台置いてあった。
何の工夫も無いようなおかずを、美味しい美味しいと食べてくれた。
美味しいと言われれば、その気になって作るから、アタシは4年生の頃から炊事係になった。
きっと兄も、そしてバンクーバーの妹も、家庭料理と言えば、おふくろの味ではなくて、妹、姉の味なんじゃないだろうかと思う。
子供の頃にJちゃんの家に泊まりに行くと、Jちゃんのママはいつも、アタシに料理のコツや盛り付けの工夫を教えてくれた。
「うちのパパはね、とにかく少しづつでも色々なおかずを並べておかないとダメなの。だからさ、ママ、大変なんだよ」
そんな事を言いながら、色々と教えてくれた。
夏休みの1ヶ月以上滞在させてもらう事もしばしばで、高校生になっても、大人になっても、いつもにこやかに迎えてくれた。
いったい、自分の娘をそんなに長期間Jちゃんのお家に預けていたなんて、母とママの間ではどんな話になって居たのだろうかと不思議でならない。
パパの元気な姿を最期に見かけたのは、偶然に新宿駅でだった。
「○○ちゃん、パパだよ。」 振り向いたら、ネイビーとシルバーグレーの素敵なネクタイを締めたパパが微笑んで居た。
「いつでも遊びにおいで。泊まりにおいで」とそう言って、アタシは何度も手を振った。
そのパパが先に逝ってしまって、すっかり痩せてしまったママに会った時にも、やっぱり「○○ちゃん、また来てね。泊まりに来てね。」そう言ってくれたけれど、アタシは悲しくなって上手く返事が出来なかった。
ほんのひと月違いの同い年。
同じアパートで育ち、遊んで、ずっと家族ぐるみのお付き合いで、そうして、Jちゃんもアタシも、運命のように両親を早くに亡くしてしまった。
だから、Jちゃんとは必ず再会せねばならぬ。
今日は台所の日。
もう炊飯器が湯気を立て始めている。
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