1本遠回りの裏道を歩いてきた。
空は今日も怪しげに灰色。
いつも下駄で歩き回っているおばあ様のお宅の塀に沿って、細長い花壇が手入れされている。
久し振りに通ったら、葉色を楽しむコリウスが寄せ植えされていた。
このシソ科のコリウスは、本当に様々な品種があって、鮮やかな色は、花に劣らず目に愉しい。
和名は金襴紫蘇。
金襴と聞くと、花嫁人形という童謡を思い出す。
金襴緞子の帯しめながら
花嫁御寮はなぜ泣くのだろう…
物悲しく、切ない歌詞で、コリウスとは対称的だ。
花嫁人形は、和紙や千代紙で作られていて、若くして戦死した兵隊さんの為に、あの世でお嫁さんを貰いなさいよと奉納される。
そんな事を思い出すと、せっかくの明るい葉色が褪せてしまいそうだから、コリウスと呼ぶ事にしているのである。
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