もう一通の封書が届いた。
ご家族様へ
ご家族とはTのことだ。
義姉が入院している病院からの連絡である。
Tの姉は還暦を越えている。
メンタル疾患での入院歴は、既に30年なのだ。
内容は、高齢になり、メンタル以外の疾患のリスクが高まっている為、他疾患での受診や入院の際には、家族であるTが付き添い、入院手続等をしてくださいね・・という内容だった。
実際に、メンタル疾患で命を落とすことは殆どない。
現状では既に、若干の内臓疾患の傾向があるようなので、病院としても放って置くわけには行かないわけだ。
何度も面会してほしいと連絡が来ていて、この夏こそと思ったら来ない。
きっと困っているに違いない。
姉自身は、福祉のお世話になって居るので、出費がものすごく嵩むことは無いと思う。
が、保険適用外の医療は実費だ。
故郷までの旅費や滞在費、その他諸々の出費は覚悟しなければならない。
アタシがではなくて、Tがである。
それは明日かもしれないし、来年かもしれない。
何れにしても、備えあれば憂いなしと言う。
この備えが、Tには無いのだから、一体どうするつもりなのだろうか。
読んだTは、この手紙をポ~ンと机に放り出したまま、やはり昨夜もテレビを見ていた。
勿論、アタシの事を知ってはいるが、姉はアタシの事が大嫌いなのだ。
度々、恨み節の手紙が届く。
アタシが莫大な借金を抱えて、それを仕方がないから一緒に返してやっていると、Tはそのように説明しているからだ。
これは非常に不愉快に感じるが、特に被害は無いから黙っている。
姉にとっては、Tが唯一の肉親だ。
気の毒な事なのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。