2017年7月11日火曜日


 低い雲に覆われた朝です。

ふと、万葉集 柿本人麿の歌が思い出されました。

東の 野にかぎろひの立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ

かぎろい は陽炎という漢字です。

東の方に登ってくる太陽の朝焼けが見えて、西の方を見ると月が傾き沈んでゆく様子が見られるというような解釈でしょうか。

朝 という字には月という文字が入っていて、何気なく使いながら、実はアタシが起きてカーテンの外を眺めた時の朝は、既に朝ではないんだろうと思っていました。

登る太陽と傾く月が同時に見える刻  その景色を見たことは無いのですが、
どうも満月の頃が見るチャンスのようです。

私が見ているのは、朝というよりは午前なのですね。

小学生の頃 ○○ 朝 君というクラスメートが居ました。
朝は はじめ と読むことを知りました。

カーテンを明けた時に、 始まりと感じられるかどうか。

今日は 新しい日の始まりなんだと感じられることは、昨日、一昨日と続く日常の中では、意識的にそう思うようにしないと、なかなか難しい事だと感じます。

繰り返される日常の雑事は置いておいて、

今日は昨日とは違う日であり、だから新しい何かが起こるかもしれないし、
誰かと出会うかもしれない。
嬉しく思う事があるかもしれない。

昨日と大差ない1日になるかもしれないけれど、新しい何かへの希望のようなものを持てば、前進する小さな力が湧いてくるような気持ちになれるというのは不思議な事です。

新しい年が明けた時には、今年こそは・・と誰もが思う事でしょう。
それが年も半ばになると、もう今年も半分が過ぎたかと、ため息に変わって行きます。

朝という字は始まりなのだと、日々あらたまるようにしたいものだと思います。








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