2017年7月21日金曜日
命日 二十五 回忌
二十五年と言えば四半世紀です。
もうそんなに年月が流れたかと、ただただ驚いています。
お母さん、そちらで産みの実母に会えましたか?
先日、お母さんが生前には会えなかった 静子おばあ様が、数年前に他界された事を知りました。
実の親を知らないだけではなくて、お母さんは、自分の本当の誕生日も知りませんでした。
それがどれ程寂しい事だったか、今になって解るようになりました。
自分の原点を辿り、そこから生きて行く過程で、どんな人の子供としてこの世に生を受けたのかを、人は誰しも知る必要があると思うからです。
最近になって、私はお母さんの事を、母親としてだけではなくて、ひとりの人間、女性として想うようになりました。
原点が判らなくても、貧しい時代には15歳から働き、明朗で快活で、愉快な人でした。
そして、分を弁え、思慮深く、情に厚い優しさも兼ね備えていました。
お母さんは晩年、シャネルのバッグを愛用していましたね。 エンジ色のセカンドバッグは、私が貰いうけて使いました。
ベージュ色の物も、いつか欲しいと言っていた記憶があります。
ココ シャネルという女性の人生もまた、幼少期には孤児院や修道院で育ち、
波乱の生涯でした。
お母さんと同じように、歌手になりたいと夢見た時代があったそうです。
きっとお母さんは、シャネルの伝記を読んだのだろうと想像しています。
私がお母さんの謙虚さを知ったのは、余命が僅かになった頃でした。
何人かの友人が、別れを惜しみに病室にやって来ました。
病気平癒 のおまじないだと、横たわるお母さんの身体の上で、
束ねた鈴を打ち鳴らしていました。
私は、なんとか早く引き揚げては下さらないものかと、怒りに近い気持ちでした。
その方達がお帰りになる時に、お母さんは辛さを堪えて身を起こし、お礼を述べました。
「ひと様のご信仰をお借りして、ありがとうございました」と。
お母さんの本当の誕生日は10月31日です。
今年は誕生花のカラーを活けてみました。
シックな感じです。
似合うと思います。
ココ シャネルの 言葉も届けます。
美しさは女性の「武器」であり、装いは「知恵」であり、謙虚さは「エレガント」である。
私は、余分な物を削ぎ落として、心身ともに洗練の高みを目指したいと思っています。
では、また来年ね。
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