三軒向こう隣に豆屋があった。
ピーナッツなどの豆菓子を売っていたのだが、入った事はなく、お客さんが居るのも見た事がないし、店主にも滅多に会わない。
そうすると、ガラスケースの中の豆菓子も、何年もおんなじなんじゃないかという気がして、ますます買ってみようという気持ちが薄れる。
隣の煙草屋の店主も地主だから、きっと豆屋の店主も地主で、べつに豆菓子が売れなくたって、全く暮らし向きには関係が無いんだろうと思っていた。
豆屋はビルで、上は飲食店と賃貸マンションになっているから、食うに困らない。
商業地域の地主は、特にこの界隈の場合、こうした地主さんが多いのだ。
羨ましい事だ。
その豆屋が突然店仕舞いした。
ほんの1週間ほど前に、店主も豆菓子もきれいサッパリ消えてしまった。
そうして、さっき通りかかったら、豆は豆でも豆違い、珈琲豆が並んでいた。
珈琲ならば買うこともあるから、店の前まで近寄ってみたら、試験管だとか、見慣れない珈琲の機械が置かれていた。
どうも業務用の珈琲専門店のようだ。
また縁の無い豆か。
パン屋にでもなれば大喜びだったのに。
サンドイッチだとか、焼きそばパン、カレーパンにあんパン。そういうパンを売る庶民のパン屋が無いのだ。
庶民のパン屋が出来れば、朝からランチタイムまでの営業だって、きっと売り切れになるくらい繁盛するだろうと、以前から思っているのだが、何故かパン屋は出来ない。
どうせ豆違いならば、乾物の豆か、美味しい甘納豆でも売るお店ならば良かったのにと思いながら、蒸し暑い散歩から戻って来た 。
天気が下り坂だ。
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