2017年9月21日木曜日




今は、受験勉強などの関係で春に開催する学校が多いようだが、運動会と言えば秋と決まっていた。

運動神経の鈍かったから、憂鬱の種だった。
短距離走は誰でも走らなければならず、毎年ビリッケツだ。

どこのクラスにも、成績は振るわないが、やけに運動神経が良い子供が居て、そういう子は、リレーでも何でも拍手喝采で、特に男子は女子からの熱い視線に応える。

成績もよくて、運動神経も良いような児童は、いつも人気者で、逆に成績は良くても、運動がからきし苦手という子は、その日だけ憂鬱そうだった。

苦手な短距離走が終わって、お弁当の時間になると、これまたアタシは少し憂鬱だった。

日頃の給食と違って、皆なが色とりどりのご馳走弁当を持ってくるからだ。

母が運動会に作ってくれるお弁当は、いつも栗ご飯とちょっとした漬物などで、そこに1つ緑の早生みかん(わせみかん)が添えられていた。

美味しかったのだが、見劣りがする。

大人になってから、生栗を一晩水に浸けて渋皮まで剥き、そうして栗ご飯を炊き上げる手間を知った。
そうして、早生みかんも、冬場よりも高い事を知った。

母なりに、季節の物を持たせてくれたのだと判ってから、それを憂鬱な気持ちで食べたことを申し訳なく思うようになった。

今は、既に皮を剥いてある栗が売っている。
手間要らずだ。
しかし、これは甘味が抜けてしまっていて、どうにも美味しくないのである。

今夜の栗ご飯の為に皮を剥きながら、そんな昔を思い出した。
きっと同じように、母も昆布出汁で炊いてくれていたに違いない。

お礼を言いたいが既に居ないから、炊き立てをお供えしようと思っている。

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六本木ヒルズ

イベントの付き添いで、六本木ヒルズへ。 51階からの夜景をアップしておきます。 東京って凄いねー。