カレンダーを捲ったら、秋深まる色合いのリースの写真だった。
昨年の暮れ近くに通っていた歯医者さんで戴いたカレンダーで、12ヶ月分の花の写真を楽しみに10枚目になる。
全国八百万の神様が、出雲大社に出掛けてしまって留守になるから 神無月 で、出雲大社がある島根では神在月と呼ぶらしい。
九月長月は、夏と秋が鬩ぎ合っているから、気持ちが落ち着かず、毎年とてもながく感じる月なのだ。
神無月に入ると、今度は肌寒さを感じる日が出てきて、夏を越せた安堵と共に、眠気に襲われる。
特に朝がいけない。 なかなか起きられない。
冷房で保っていた室内の24度と、自然の空気が運んで来る24度とでは、数字は同じでも、実は全く違うのだと思う。
夏バテこそしなかったが、夏疲れとでも言おうか、身体全部がくったりと弛んでしまうのである。
好きな11月から1月までの3ヶ月の為に、どんな冬になるかと想いを巡らせながら冬支度を進めるのが、毎年の神無月の過ごし方だ。
何故冬が好きなのかは判らない。
子供の頃から好きだったから、理由を考えても答えが見つからない。
そう云えば、10月生まれの従妹の名前は かんな だ。
夏から秋まで咲くカンナの花からつけたのかと思い、叔父に訊いた事がある。
神無月生まれだから、書きやすく平仮名にしたと言っていた。
叔父や従妹とも疎遠になってしまったが、父方の実家を継いでいる。
庭を潰してしまって、敷地一杯に家を建ててしまった。
あの庭には、鮮やか朱と黄のカンナが咲いていた。
今年のこれからは、あとカレンダー二枚分でお仕舞いだ。
月日は流れて、やがて記憶の中に綴じられて行く。
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