遊具の動物を、パズーが怖がるという理由で、いつもは立ち寄らない児童公園がある。
高い木が1本だけの殺風景な公園で、子供の姿も見掛けない。
落ち葉の絨毯で覆われた公園に、今日は足を踏み入れてみた。
茶色に混じって、紅葉した葉も舞い落ちてくる。
この木に繁っていた葉の、これが最後の色なのである。
歳を重ねて、終わりの色に目が行くようになった。
カリカリと枯れた葉は、少しの風て移動している。
もう、重量が無いのだ。
「枯れた植物を生き返らせる事は出来ないだろう?自然に任せておくのが良いと思わないか?人間も。」
すっかり生きる意欲を失って、頑なに延命治療を拒んだ亡父が言っていた。
たとえ枯れても、生命には最後の色がある。
そっとしておくのが礼儀のような気がした。
今年は例年よりも冬が早い。
やがて落ち葉は消え果てて、空気が凛と張りつめて来るのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。