2017年12月1日金曜日

最後の色

遊具の動物を、パズーが怖がるという理由で、いつもは立ち寄らない児童公園がある。

高い木が1本だけの殺風景な公園で、子供の姿も見掛けない。

落ち葉の絨毯で覆われた公園に、今日は足を踏み入れてみた。

茶色に混じって、紅葉した葉も舞い落ちてくる。

この木に繁っていた葉の、これが最後の色なのである。

歳を重ねて、終わりの色に目が行くようになった。
カリカリと枯れた葉は、少しの風て移動している。
もう、重量が無いのだ。

「枯れた植物を生き返らせる事は出来ないだろう?自然に任せておくのが良いと思わないか?人間も。」

すっかり生きる意欲を失って、頑なに延命治療を拒んだ亡父が言っていた。

たとえ枯れても、生命には最後の色がある。

そっとしておくのが礼儀のような気がした。

今年は例年よりも冬が早い。

やがて落ち葉は消え果てて、空気が凛と張りつめて来るのである。

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