年末の台所は忙しない。 お節の準備をしていても、人は年始まで空腹のままでは居られないのである。
両親を看取った後の葬儀で、人はこんな時でも何かを食べるのだと痛感した。
明日の為には何かを食べて、眠らなければならない。
大晦日は年越蕎麦と決まっているが、その前の数日が厄介だ。
だからスーパーに行けば、年末用の惣菜が大皿に盛られて並んでいるし、ピザのデリバリーも走り回っている。
休みに入ったお父さん達が、子連れで買い出しをしている姿も見掛け、手にはファーストフードの袋をぶら下げている。
年末年始の両方を含めて、食費が掛かるわけだ。
我が家は残念ながら、今日も助っ人は居ない。
パズーもいつも通りにご飯を待っている。
年末を乗り切るコツは、28日から大晦日までの4日間のお手軽メニューを決めておく事だと思う。
節約生活中にあるから、手軽な汁物や常備菜で乗り切っているけれど、そうでなければ、パンだってレトルトだって構わない。
とにかく、お腹を空かせている人の胃袋を満たす。
そして自分は、お節に集中するのが一番だと思う。
八百屋さんのおばちゃんは、お節を作るのを止めちゃいな~と言っていた。 八百屋さんは大晦日まで営業で、お雑煮位しか作れないのだそうだ。
そして、5日から営業だから、休みは4日間しかないのである。
旅行にも行けないし、かと言って、妙に半端な休みになってしまう。
だから、年末に稼いだ分で、元旦から4日間、パチンコ屋に寄付をしに行くと言って笑っていた。
全部ぜーーんぶ使ってスッキリするのだそうだ。
早朝から11時近くまで、寒い土間で働き詰めの様子を見ているから、「パーッと使っちゃいな~」と笑い返した。
そんなおばちゃんは、店の奥にある台所で、仕事の合間に1日2食の炊事をしているのである。
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