小鍋から大鍋、台所は鍋だらけだ。
悪化もせず、さりとて良くもならず、風邪が半分停滞している。
室内に湯気が立ち上っているのは、加湿になって良いに違いない。
若い頃には苦にもならなかった年の瀬の台所仕事が、年々大変になっている。
鍋を持ち上げるのにヨッコラショ、何をするにもヨッコラショ。
同年代の口から、筋力アップだとか、1日一万歩だとか、体力維持と労りの言葉が聞こえてくる。
花屋さんの店先で、白髪の女性がシクラメンの鉢を選んでいた。
密集して花付きが良いのは大鉢と相場が決まっている。
しかし、気に入ったらしい赤花の鉢を持ち帰るには、その女性には無理がある。
片手に杖をついていた。
折り返して再びすれ違った時に、その女性の手には、水仙の切り花が見えた。
欲しいシクラメンがあり、身なりから、それを買い求めるだけの余裕も見られたが、哀しきかな、人は老いる。
50半ばでヨッコラショと言っているようでは先が思いやられる。
老いを感じ初めてからが案外と長いのが人生かもしれない。
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