黄色のキンレンカが植えられていた。
昔、庭のある家に住んでいた頃に、食用になるという理由で植えていたので懐かしい花だ。
植物の名前はよく知っている方なのだが、何故知っているのかは分からない。覚えようと思ったわけでも、学んだわけでもないから、きっと花が好きなのだろうと思う。
庭は諦めたはずなのに、春になると、もしも小さな庭があったらと考えてしまう。
都心部で庭付き一戸建てに住まっている人は、相当の収入があるか、元々実家があるかのどちらかで、固定資産税が払えなくて移転する人も多いのである。
欲しいと思うものが何でも手に入るほうが稀で、大抵の人が、自分の分相応の中で暮らしている。
欲を手放すと、小さな事でも喜べるようになって、いつも人を羨んでばかりいると、ため息ばかりになるものだ。
今日は春夏の白いジーンズに、戴いたスニーカーで軽やかに歩いてきた。これだけで、充分過ぎるくらいに心愉しく、いつもより少し遠回りをした。
もう8年も着ている薄手のスプリングコートを手洗いした。
つい先日まで、この時間は真っ暗だったはずなのに、いつの間にか陽が延びている。
もうじき春のお彼岸なのである。
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