2018年3月30日金曜日

簪(かんざし)・櫛・笄(こうがい)

江戸前鮨店の飾り窓に、昔の髪飾りがディスプレイされていた。

季節感のあるものが飾られていて、少し前まではお雛様だった。

今回は、桜の時期に、花見をする武家の奥方をイメージしたのだろうか。

挙式でかつらをかぶらないかぎり、現代で日本髪を結うなんて事は、ごく少数の職業に限られる。

こんな華やかな髪飾りが使われたのは江戸の中頃からだった。

五種類あって、正面真ん中に前櫛、左右に前挿し、そして後ろ側には中挿しと後ろ挿しがあり、笄(こうがい)と呼ぶ一本の棒のような飾りを真横に挿すのである。

材質も、蒔絵やべっ甲など様々で、頭だけで相当の重さになる。

これに、やはりかなりの重さの着物や帯を身につけていたわけだから、姫達は、大人しく座っている時間が多かったに違いないと思う。

どんなに活発な性格に生まれたとしても、動き回るには限界がある。

高価な飾りをコレクションしている人がいて、現代でもこうして見る事が出来るわけだ。

何度も白無垢や打掛けをお着付けしたが、衣装だけで五キロになり、島田のかつらは二キロはある。

首の骨が折れてしまいそうだ。

しかし、やっぱりなんとも言えない雅な美しさがあるから、1度は着てみたいと思っている女性は多いのである。

誰かが着たいと言い出しやしないかと、自宅に白無垢と色打ち掛けを綺麗に保管しているのである。

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