江戸前鮨店の飾り窓に、昔の髪飾りがディスプレイされていた。
季節感のあるものが飾られていて、少し前まではお雛様だった。
今回は、桜の時期に、花見をする武家の奥方をイメージしたのだろうか。
挙式でかつらをかぶらないかぎり、現代で日本髪を結うなんて事は、ごく少数の職業に限られる。
こんな華やかな髪飾りが使われたのは江戸の中頃からだった。
五種類あって、正面真ん中に前櫛、左右に前挿し、そして後ろ側には中挿しと後ろ挿しがあり、笄(こうがい)と呼ぶ一本の棒のような飾りを真横に挿すのである。
材質も、蒔絵やべっ甲など様々で、頭だけで相当の重さになる。
これに、やはりかなりの重さの着物や帯を身につけていたわけだから、姫達は、大人しく座っている時間が多かったに違いないと思う。
どんなに活発な性格に生まれたとしても、動き回るには限界がある。
高価な飾りをコレクションしている人がいて、現代でもこうして見る事が出来るわけだ。
何度も白無垢や打掛けをお着付けしたが、衣装だけで五キロになり、島田のかつらは二キロはある。
首の骨が折れてしまいそうだ。
しかし、やっぱりなんとも言えない雅な美しさがあるから、1度は着てみたいと思っている女性は多いのである。
誰かが着たいと言い出しやしないかと、自宅に白無垢と色打ち掛けを綺麗に保管しているのである。
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