道玄坂面した河豚料理のお店に、河豚の水槽がある。
暑い時期には苦しそうに底に沈んで居たが、秋になったら元気に泳ぎ出した。
人に食べられてしまう運命とは知らず、こんな狭い中に閉じ込められて可哀相だが、見ている分には、実にユーモラスな姿だ。
欧米からの観光客にとっては珍しいらしく、写真を撮っている姿もよく見掛ける。
看板がまた、こんなふうに目立つから、つい見上げてしまう。
地震が来て落ちてきたらと思うと、これはひとたまりも無いから、なるべく真下は歩かないようにしている。
釣り上げた時に、身体をパンパンに膨らませて、豚のようにブーブーと鳴くから 河豚 なのだそうだ。
バンクーバーのタコヤキちゃんが下関に居住していた頃に、姪の産湯を使わせる手伝いに行った事を思い出した。
スーパーの鮮魚売り場に、河豚が並んでいた。
10日程の手伝いで帰京したのだが、その年の暮れに、河豚を送ってくれた。
刺身はお皿の柄が透ける程に薄く、菊花のように並べられていた。
そして、揚げるだけになっているぶつ切りの唐揚げも入っていて、こちらも美味しかった。
後にも先にも、河豚を食べたのは、この時だけで、それから20年が経過している。
鍋の後の出汁に、ご飯を入れる締め括りの雑炊が、とても美味しいと聞いた事がある。
寒くなっても、帰宅時間がばらばらの我が家では鍋をする機会は皆無だ。
いつか食べてみたいと思っているのだが、その時は、本場の下関が良いだろう。
都心の水槽に泳ぐ河豚よりも、数段美味しいに違いない。
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