2017年10月17日火曜日
裏に凝る
洋装が当たり前になった今、和服用の材料を集めるのはなかなか大変だ。
需要が無い物は生産されなくなってしまうから、どこかに売っているはずだと思っていた物が無いのである。
普段の着物に使う裏地を探していた。
木綿素材の無地の反物が欲しかったからだ。
何故反物かと言うと、両端がほつれてこないようになっているからで、和裁では端の始末縫いが無いのである。
そうしたら、11色の木綿の裏地を1000円で分けてもらえた。
ずいぶん古い物らしく、幅が若干狭いのだが、充分に使えるので有難い。
体型が小さかった時代は、反物の幅も狭かったのだと思う。
洋装でも、着ている服の裏地が見える瞬間は多くない。
けれど、黒のコートをサッと脱いだ時に、そこに別色の裏地が鮮やかに使われていたり、ジャケットの袖をまくった時に、ストライプの裏地が見えたりすると、ハッと目を奪われる。
裏に凝るというのはとても粋な事で、特に男物の着物や羽織の裏などは、勇ましい虎が描かれていたりする。
女性の着物の裏も、特に裾回しという下の方の裏は、着る人の好みやセンスが表れていて、どうでもよくは無いのである。
洋装和装いずれも、買い求める時には、裏をよく見ると良い。
粋な世界が見えてきて、作る楽しみも倍増する。
さて、どの色を使おうか。。
1000円で、こんなに楽しめるとは、裏は実に面白い世界なのである。
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