着物を着るのには、着物と帯が必須なのは言うまでもありませんが、そこに様々な小物を足して、格や好みを表現出来る楽しみがあります。
初心者の方々は、まだまだ判らない事や、この組み合わせで良いのかしらと迷うことが多い事でしょう。
細かい決まりごとなとはまた書いて行きます。
今日は、格を気にせずに着る普段着の事を書いてみます。
季節を考える事は外せませんが、それ以外は自由です。
ところが、どうぞお好きなコーディネートでと言われましても、着物の奥深さを熟知していませんと、自由の中で楽しむことが難しく感じます。
今は寒い季節ですから、温かみの感じられる色にしてみようですとか、 梅等、季節の花の帯なら良いだろうと、その辺りまでは決められます。
そうして街に出ますと、案外と、ざっくりした紬に、梅柄の帯、或いは、梅柄の小紋に、柔らかい風合いの帯、このように、同じコーディネートを見掛ける事が珍しくありません。
とは申しましても、全く同じというわけではありませんから、それはそれで良いと思っています。
季節が感じられる装いは、見る人も楽しむことが出来ます。
さて、今年はお正月に着物を着ました。
改まる気持ちがして良いものだと思いました。
五十代半ばを過ぎ、最近は、気持ちを引き寄せて、今、或いはその日の心境を纏うという組み合わせ方を考える事が増えました。
いろはにほへと が手描きで染められた帯は、書く事が好きですので、遊び心で誂えました。
ずいぶん前のことです。
色紙柄が織り出された紬に合わせたいなぁ等と思いつつ、実はまだ絞めていません。
いろは歌には仏教的な意味がこめられています。
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
人生を達観した心境にもなるこの頃、この意味あいを意識して、抑えた色調の無地紬ですとか、 こんな心境とは無縁のところに居る、無邪気な童子柄の紬に絞めるのも良いかと想いを巡らせています。
少し沈んだ気持ちの時に、明るい色目のコーディネートをしてみましたり、節目の年齢になった時に、内面に合う色柄の組み合わせをしてみるのも、また着物を楽しむ醍醐味です。
是非皆さんも、内なる声に耳を傾けながら、心境を纏うことに挑戦してみて下さい。
*いろは歌 塩瀬染め帯 コーラル私物です
また次回をお楽しみに。
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