夜のお雑煮は白味噌仕立てです。
Tの出身地は紀州和歌山。 市内から更に電車を乗り継いだ所に紀三井寺という所があります。桜の名所です。
アタシが紀三井寺を初めて訪れたのは、19歳のお正月でした。 既に母親はなく、Tの父親と年老いた祖母が長屋の中の貸し間に住まっていました。
そのような状況でしたので、到着して挨拶もそこそこに、アタシはお節料理を作る事になりました。
紀州和歌山は関西圏で、お雑煮は白味噌仕立て。鶏肉に小松菜と大根をごった煮にした中に、丸餅を焼かずに入れます。
高野豆腐と黒豆を一緒に炊いたり、全てが関東と違っていました。
と言うわけで、お正月は二種類のお雑煮を作るようになりました。
柑橘類が豊富な地方なので、金柑の甘露煮も。
今年は紅玉と一緒に白ワイン煮にしました。
また、和歌山と言えば南紅梅。 それで、菊花かぶは梅紫蘇で色付けた紅色の酢漬けにするようになりました。
今思えば、19歳で知らぬ地方のお節をよく作れたものだと思いますよね。 帰郷する朝には、天ぷらが食べたいと言われて、一通りの食材で天ぷらを山盛り揚げてから、電車に飛び乗った記憶があります。 その時Tは23歳でしたので、ジワジワとアタシはTの母親役のようになってしまったのだと思います。
元旦から姿をくらませていたTは、6時頃に帰宅し、当たり前のように白味噌仕立てのお雑煮を食べて寝てしまいました。
当たり前過ぎて無反応。美味しいとも何とも言いません。 慣れって怖いね。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。