2018年2月12日月曜日

江戸紅型

本だての藍染で染められた紅型(びんがた)の小紋を持っていて、数週間前から、合わせる帯を考えて楽しんでいる。

紅型は、琉球の染め物であるが、内地でも染められていて、京紅型と江戸紅型がある。

琉球の紅型は、糊を置いて染める手法で、江戸紅型は、型紙を用いるという違いと、色柄が落ち着いた物が多いという特徴がある。

灼熱の陽光の下では、原色に近い琉球の紅型でハイビスカス等が染められていると映えるのであるが、ここは東京。

振り袖や、帯くらいはなんとかなるが、好みから言うと、やはり江戸紅型なのである。

まして、正藍で、藍から染められる濃淡がホレボレするほど深く美しい。

50代になったら着ようと思い、帯の事は考えずに居た。

簡単に決めるならば、無地の帯で間違いないが、それではつまらない。

想像するのはただなんだから、思う存分楽しむ。

この時間が、組み合わせを決めて着る当日よりも、ずっと愉しい時間なのである。

あっちの帯、こっちの帯を乗せてはため息をつき、無い物は頭で想い描く。

遠目に無地に見えるくらい細かい型紙を使って染める江戸小紋が好きで、小紋には、型紙を使わない物もたくさんあるのに、何故か伊勢型等の型紙を使った染めに惹かれる。

型紙は、反物の長さがあるわけではなく、短い物を使う。
下手をすれば、型紙を置き換えた時の筋が染まってしまって、その時点でお釈迦になってしまう。

型紙を載せ替える作業に、1ミリのズレも許されない。
その緊迫感に魅せられているのかもしれない。

さてどうする?
どんな帯を締めようか。

出掛ける予定も無いから、当分は魅惑の世界で遊ぶ予定なのである。

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