2018年2月20日火曜日

豆腐肉

お世話になっている動物病院は、電車を乗り継いで行くと 幡ヶ谷で降りる。 渋谷区の北、本町は、独り暮らしを始めて最初に住んだ懐かしい街だ。

方向音痴のアタシは、幡ヶ谷に降り立っても、かつて住まっていた中野よりの地域がどちらなのか判らず、幡ヶ谷の商店街にあるお店で聴いてみた。
真っ直ぐ歩いて、時間にすると20分位だと教えてくれた。

当時は、その旧い貸間の近くに駅は無く、国鉄新宿駅からのパスを使っていた。 西口のバスターミナルから乗り込み、新宿中央公園を左に見ながら10分程で、左が渋谷区、右が中野区になる。

拠点が新宿で、住まいが渋谷、買い物は、通り向こうの中野の商店街に通っていたのである。

商店街というのは実に楽しく、大小様々なお店の間に、週替りの催事スペースもあり、一番おしまいの銭湯も賑わっていた。

地元の人だけが、あの和菓子屋の干瓢巻きが美味しい事や、奥の肉屋のカレーコロッケが絶品だという情報を知っていて、それは、今の時代のように、ホームページで宣伝などしなくても、半年も暮らせば判ることだった。
商店も、地元の人の為に商いをしていたから、その日に売り切れる分しか作らないのである。

各地の商店街が様変わりしたり無くなっている事は知っているが、記憶の中の名店は忘れていない。
麺のお店があり、饂飩から何から、生麺だけを置いていて、特に生冷麦は、冬場でもお昼過ぎには売り切れになる名物だった。

幡ヶ谷の商店街では、老舗の傘屋が有名で、それから、毎回通りかかる度に買おうかどうしようかと迷う手作り豆腐のお店がある。
パッキングされていないお豆腐を持ち帰れる自信が無く、まだ食べた事がない。
きっと地元の名店だということは、宅配便の伝票が山積みになっている事から窺える。
1度は買ってみなければと思っている。

この住まいの裏の商店街は、今は飲食店街になってしまって、大山鶏だけを扱っていた鶏肉屋さんが店仕舞いしてから、名店が無くなってしまい、残念な気持ちでいる。

今夜は、どこにでも売っている木綿豆腐と牛の切り落としを使って、お豆腐の方が多いから、豆腐肉。

幡ヶ谷のお豆腐を持ち帰る事が出来たら、先ずは冷や奴で味見をしなければと思っている。

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