朝から炊事に仕事にと追われ、1時間だけ自分の時間。
2時を過ぎてから窓の下を見下ろすと、ランチタイムの人々がオフィスに戻って、今だ!と散歩に出かけた。
とにかくパズーは、人嫌いなのである。
気の向くままに進むと、神泉駅の裏手の坂の上に、花水木の鉢植えが染まっていた。
この秋一番綺麗な紅葉。
橙と黄が入り雑じり、そのどこかに茶が入っているような。
同じ地域で、気温は大差無いのだから、お日様の当たり具合と、置かれている場所の違いだろうか。
数メートル先の花水木は、まだ緑色をしているのである。
そう言えば、室内の観葉植物も、位置を変えたら急に元気になる事があるし、ベランダの鉢植えも、並び順で、成長具合が違っている。
相応しい場所を見つけてやったら、あまり動かさない方が良いのかもしれない。
八百屋さんに寄ったら、おばちゃんが段ボール箱に突っ伏して昼寝中だった。
起こすのは可哀想だと思って離れようとしたら、気配に気付いて出てきてくれた。
この秋一番眠い日だそうで、特に休み明けの月曜日は、ヤル気が出ないらしい。
滅多に連休などは取れないから、紅葉狩りにも行ったことが無いと溜め息をついていた。
あれは大きい姉さんが幼稚園の頃だから、かれこれ26、7年前になるだろうか。
Tに大小姉さんを預けて、幼馴染みのJちゃんと京都へ行った。
タクシーの運転手さんの案内で立ち寄ったお寺の廻り廊下に座って、借景を見た。
燃えるような秋の色とはこういう景色のことかと、生まれて初めて思ったものだった。
それから、京の漬け物を買い込み過ぎて、行きの二倍重くなったバッグを担いで、往路の新幹線に乗ったのである。
それ以来、京都にさえ行く暇は無く、いつの間にか、自分が人生の秋を迎えているのである。
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