欅並木の落葉が始まった。
枯れ葉には枯れ葉なりの美しさがある。
紅葉している色だけではなくて、既に茶色になった色も、独特の薫りも、落ちて尚、生きているのだと思える。
アスファルトの上では、残念ながら土に還ることなく、掃き集められてごみ袋行きだが、風に吹かれて、僅かにある植え込みの土に戻って行く枯れ葉もある。
アスファルトに固められた都会の道路ではあるが、その下には土が広がっている事を、再開発の工事現場を見て思った。
深く掘られた現場から、地中の水分が湧き出ていた。
裏通りは、小さなパズーには、排気ガスの臭いしかしないだろうと思って、午後の散歩は、空気の流れが良い表通りから回る事にした。
枯れ葉が動くと、立ち止まって首をかしげている。
今日も過ごしやすく、晩秋の陽射しが、パズーの生成り色の背中を照らしていた。
今年も後2ヶ月弱だ。
11月が好きなのは、1年の夕暮れ時のような感じがするからかもしれない。
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