ある男の物語り眠れぬ夜

まだ日程は決まっていませんが、半月以内にミスターＴが越して来ます。アタシは眠れぬ夜を過ごしています。 ギャンブル依存歴１０年以上のミスターＴはアタシの職場を住処にしていました。別居して１５年が経過しています。 職場を住処にしていた時代、お客さん用のお菓子は食べないでね。「うん、わかった、食べないよ。」しかし、出勤するとお菓子は無くなっていて、買いに走る事がしばしばありました。 会社の備品だから、パソコンでゲームやいかがわしいサイトをみないでね。「うん、わかった。見ないよ。そんな事するわけないじゃん」 パソコンは壊れました。新しいパソコンに買い換えましたが、それも使っていました。 職人さんに支払うお金も無くなっていて、パソコンのディスプレイに 「お借りします」とメモが貼り付けてありました。返却されませんでした。
仕事中にこの自宅に入り込み、アタシの大切な豚の貯金箱エリー大中小から小銭を持ち出そうとした事もあります。たまたま在宅していた大きい姉さんが「何してるの!!」と咎めると、大きい姉さんがバイトで稼いだ数千円を奪って行きました。 そのような経験から、今アタシと大きい姉さんは、一緒に貯めているエリー３匹の隠し場所を考えています。 ここでの暮らしに慣れて来た頃が危険だから。ここにミスターＴが一人になる事は避けるつもりですが、不安はつきません。 きちんと食事は提供します。基本、僕の物は僕の物あなたのものも僕の物って人です。先日も、キッチンに入り込み、お米等の食品を確認していましたし。
初回面会の時に「僕、煙草止めたんだ〜今年はパチンコもしてないよ」 すかさず姉さんは「今年は始まったばかりでしょ？」と突っ込み。 ２回目の面会で、アタシは見たのです。 ミスターＴは真っ赤なウィンストンと言う煙草を持っていました。 ３年の攻防戦に向けて、貯金箱まで隠さなくちゃならないなんて。 万全の準備をしなければ、必ず何かをしでかします。 ある男の物語りでミスターＴのファンが増えそう。 アタシは針のむしろです。
正直、死にたいです。