2016年2月20日土曜日

ある男の物語り転出

いよいよ転出届けの手続きが完了。次は渋谷への転入届を提出しなければならない。
ミスターTは、転出証明の書類を持参し、自分の寝床になるスペースの確認に現れた。
新しい布団も用意されていて満足度100%の様子。パズーに慣れさせる為に、お昼ご飯の白米を食べさせたりして、パズーもミスターTの手から食べている。 アタシの職場に居住していた事もあり、パズーはミスターTの匂いを覚えているらしい。 模様替えをして出たゴミを捨てる作業もこなした。
転入と同居にあたっての話し合いが本日のメイン。
法と制度をくまなく利用するのだ。
辿り着いた結論は…。 ミスターTが世帯主となる。大きい姉さんもその世帯に入る。そして、アタシは最新の制度を利用する決断をした。 そう、世帯合併をすると同時に、アタシはミスターTの未届けの妻、つまり内縁の妻と記載する事にしたのだ。 婚姻関係には無いが、同居し家計が一緒になる唯一の方法 未届けの妻。 この事によって、アタシはミスターTの勤務先の健康保険に加入する権利を得る。そして、厚生年金の第三号となれるのである。医療費が減り、年金が若干増える。 夫婦別姓や、婚約期間中の同居に使われる制度を利用する事で、アタシは僅かなメリットを得るのである。 ミスターTがいずれ移転すれば、この未届けの妻 という曖昧な関係は自然消滅する。 これが可能かどうかを区役所に問い合わせているミスターT。 何の問題もなく許可された。 渋谷区始まって以来の奇妙な世帯合併かもしれない。
アタシ「婚約者にはばれないし、未届けの妻がいても結婚出来るよ。」
ミスターT「 女性とは別れました。理由は聞かないで下さい。煙草あげるからさ。」
そう言って、ミスターTは一箱の煙草を置いて帰っていった。
土産のひとつも渡せるくらいは反省したのか。 ん?軽い…開けてみたら、煙草は2本しか入っていなかった。やっぱりね。おかしいと思った。
女性と既に別れているだろう事は、大きい姉さんとも予想していて、その予想は見事に的中した。
かくして、アタシは10日くらいのうちに、多重債務者ミスターTの未届けの妻となる事で、家計を掌握する事になったのである。 姓の変更無し、本籍地も同じ。最も簡単な世帯合併である。

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子鹿のバンビ

 ヤドリギ近くのゴルフ場に、子鹿のバンビが現れたって。 痩せて見える。可愛いけど可哀想。沢山の餌が見つかりますように。