2017年5月30日火曜日

KIMONO IROIRO 絽塩瀬 染帯


五月も終盤です。
着物の世界では、6月から薄物 夏の装いへと衣替えしてゆきます。
6月は、袷の着物と同じ生地で、胴裏や八掛けと呼ばれる裏地を付けないお仕立てになります。
これが単衣のお着物です。
そして、長じゅばんや帯、半襟、帯揚げ帯締めのような小物は、一足早く 夏物を身に着けます。
簡単に言ってしまうと、 袷のお着物は、裏を付けるかつけないかで、着られる時期を替えることが出来るという事なんですね。
柄さえ合っていればの話ですが。

アジサイが涼しげなこの帯は、前に書きました 塩瀬の染帯です。
ですが、塩瀬で、夏向きに織られた 絽の塩瀬で、反物の状態で見ますと、透け感があるので良く判ります。
黒地の方も、同じ絽の塩瀬で、 波に貝殻が染められていますね。
どちらも、6月から盛夏の8月末まで、3ヶ月間締めることが出来ます。
趣味性の高い染帯ですから、小紋、夏の麻、無地などに合わせます。

地色が白と黒で、対照的な夏帯です。
夏場の着物は、長じゅばんが透けて見える薄物です。
お坊さんの黒い袈裟を思い浮かべてみてください。
夏の黒は、下の白が透ける事で、なんとも涼しげな印象になるのです。

この黒の帯も、仕立てる時には、芯に白を使いますので、大分印象が変わります。
着姿が、ひと様から見て涼しげに見えるようなコーディネートをあれこれ考える事は、とても楽しい事です。
野暮にもなり、粋にもなる。
この辺りが 着物の醍醐味というわけなのです。

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