2018年8月26日日曜日

奈良漬け

漬け物は、種類を選ばずどれも好きなのだけれど、酸味の無い中では、奈良漬けが美味しい。

夏になると、まだ子供だった頃の大小姉さん2人は、日本舞踊のお稽古に通っていた浦和の神社で、浴衣で踊る事になっていた。

見物客も居て、社中の姐さん達も全員が順番に踊るのである。

支度を整えると、お師匠さんのお宅で、お赤飯と奈良漬けを頂く。

それを食べてから、神社に向かう事になっていた。

お師匠さんは「たくさんおあがりなさいよ」と言って下さるわけだが、他に数人いた子供は、あまり箸をつけなかった。

当時も、子供の食が細いとか、好き嫌いが多いという悩みの親が多く、その心配がなかったアタシは、むしろ食べ過ぎを心配していたのである。

そうして、夏のその日は毎年ヒヤヒヤしたものだ。
大小姉さん2人は、必ずおかわりをして、奈良漬けもたっぷり乗せてもらい、更に三杯目も食べられそうな勢いだったからなのである。

おかわりは止めなさいとも言わず、もっと食べろとも言えず、ただただ、汗をかきながら、申し訳ありませんと謝っていたのを覚えている。

夏の間に、浴衣ざらいという発表会があり、他には踊り初めと言って、新年の会があった。

この踊り初めの方は、会場が老舗の鰻屋さんの二階で、舞台がある大広間だった。
ここでまた、美味しいお食事をいただくのだが、他のお宅では、子供の分しか頼まず、付き添いの親は、子供が余した物を食べていた。鰻屋だけではなくて、鯉のあらいからシメのお茶漬けまでフルコースだった。
けれど、うちの場合は余す事など無くて、周囲に遠慮しながらも、3人前をお願いしていた。
勿論、お代は事前にお支払いする。

大小姉さん達は、夏はお赤飯の会、新年は鯉のあらいを食べられる会と言って楽しみにしていたのである。

昨日、小さい姉さんが買って来てくれた奈良漬けと、またまた酸っぱ辛いスープが今夜の献立。

奈良漬けを買うときに、きっと夏のお赤飯の日を思い出していたに違いないないと思う。

今日も異常な暑さ。

なんとか無事に暮れました。


あ、そう言えば昨日、孫のマコシンシンがこのブログを見ていることを知った。

マコちゃん、また遊びにおいで。
大きい姉さんと仲良しになって良かったね。

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