自然とは無縁の都心でも、空だけは広がっている。
この部屋を選んだ16年前、もう少し広めの南側と迷ったのだけれど、そちらは、窓から見えるのがビルの裏壁だったので、視界が開けたこの部屋に決めた。
やっぱり夕焼けが好きなのである。
落ち着いたグラデーションの夕焼け空を見ていると、不思議と気持ちが穏やかになる。
そして、何処かへ旅行に出たくなったり、懐かしい事を思い出すきっかけにもなるのである。
夕焼けの時間は、下界の雑多な色がなくなって、すっかり静まり、ビルの窓ガラスにも赤さが映る。
ほんの15分の日暮れ時。
向かいの店舗に看板がかかった。
夕焼けより1時間程前に撮った写真。
太陽が移動するだけなのに、まるで違う場所のように見える。
オフシーズンの、人気が無い海にでも行けたら、どんなに落ち着くだろうと思う。
そのうち必ずね。
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