2017年4月12日水曜日
塩瀬の染帯 胡蝶柄
表通りの老舗呉服屋さんに飾られていたこれ。
塩瀬の染帯です。
塩瀬というのは織物の呼び方。
密な縦糸に太めの緯糸でしっかりと織られています。
新潟の五泉が産地として有名なので、五泉塩瀬と呼ばれますが、今は化繊の物も出回っています。新潟は 上越、中越、下越、佐渡の4つに分かれていて、五泉は下越地方です。
染の着物に織の帯、織の着物に染の帯 と良く言われるのですけれど、
これは塩瀬に胡蝶を染めた帯ですので、織の着物に合わせる場合が多いです。(例外があります)
織の着物とは、紬ですね。
大島とか、結城紬とか、聞いたことがありますか?
糸を先に染めて、その色糸で柄を織り上げてあるのが一般的で、白生地に後から文様を染める染の着物と違い、普段着の着物の代表です。
この爽やかな胡蝶の柄は、お太鼓結びにした時に背中に見える部分です。
大抵の塩瀬は、同じ柄が帯の前の部分に染められています。
普段用の塩瀬染帯ですから、礼装用の袋帯では無くて 名古屋帯。
二重太鼓には結ばないのでお太鼓は一重、お仕立ても名古屋仕立てが殆どです。
丸巻き(反物)の状態で売られていて、後からお仕立てをします。
着物初心者ですと、反物で並んでいますので、これが着物なのか帯なのか判らないかもしれません。
染の帯は普段用なので、趣味性の高い柄行が染められていることが多いです。
お祝いとか関係なく、むしろ季節を楽しめる柄、中には猫とかクリスマスツリーとか、すごく色々な柄があります。
出番が多いので、好きな柄を染めて誂えることも出来ます。
アタシは、お太鼓にアジサイ、前帯部分にカタツムリを染めてもらって、梅雨の頃に締めるのを楽しみにしていました。
文章だけで説明するのって難しい・・・(-_-;)
今回は蝶々の柄ですね。春から初夏に素敵です。
例外もあると書きましたが、この帯の下にディスプレイされているのは、更紗柄の染の小紋です。
こういう風に、染の着物に染の帯もアリなんです。ただし、この更紗は小紋ですので、染の着物の中の普段着にあたります。
結婚式のお呼ばれくらいにしか着物は着ないわという方には不必要。
普段、友達と出かけたり食事に行ったり、そういう時にも着物を着たいわって人には、何枚あっても足りないくらい必要で、欲しい帯なんです。
今日は、これは塩瀬という染帯で、名古屋帯で、普段用なんだなということだけ覚えて下さったら良いと思います。
また、蝶々の柄だから、お花の着物や、花を思わせる色合いの紬に合わせたらどうかな・・と、頭の中で色々コーディネートを思い描いて遊んでいただければ良いと思います。
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