ある男の物語り昇進

土曜日から熱海に出張に行っていたミスターＴ。今回の出張は、総勢７００人以上の年に１度の総会。 ４月からの人事を含めて、毎年３月に行われている。
この総会で、ミスターＴは、満場一致で昇進が確定、別組織の理事と部長も兼任し、３つの重責を担う事になったのである。 もちろん、誰もミスターＴが債務整理の手続きを進めていることは知らないのだが、弁護士先生に確認したところ、昇進は問題なく、また、債務整理をしてもクビにはならないとの事。 これが、人に暴力をふるったとか、薬物に手を出したなどという事ならば話は別だが、多重債務は刑事事件ではないからだそう。ミスターＴ「イヤダイヤダって言ってたのに、僕昇進しちゃったのよ〜。これからスーツ着る日が増えるからスーツ足りないかもしれないね、僕。」
お土産に買ってきた干物の詰め合わせを冷凍しながら、アタシは溜め息をついている。 スーツかぁ… 誰が買うのよ？え？またアタシ？ 古着屋巡りでもして探すか。
いつも小銭入れに１０００円しか入っていない弁当持参の役員って…珍しいよね。
しかし、それが現実なんだから仕方がない。