2019年6月25日火曜日

ある男の物語り  恐怖


 10日に賞与をもらったばかり。
何とか10万位を口座に入金して、これは出張だとかの際の臨時出費の為という事だったのだけれど。

昨年くらいから、出張以外でも使うようになり、今年に入ってからは、何度言ってもキャッシュカードを戻さなくなった。
明日返す、明後日返すと言い続けて、もう半月。

最近は、記帳するのが恐ろしくて仕方がない。
けれど、また先日みたいに 貸してくれと言われるのも恐ろしく、マメに記帳だけはするようにしているのである。

今朝はとうとうマイナスになっていて、3万程の定期を使い込み始めたという事。
もちろん、本人が言っている 断れない飲み会だけではない。
同じ日に何度も何度も引き出しているのは、ギャンブルに使っているから。

同居が始まった2016年3月から、必死に入金したのが475000円
これは計画通りで、定年までに50万程度の独立資金を貯めさせようと思ったからなのである。

小遣いと予備費もTは毎月使っているわけだから、本来だったら、入金した分がまとまった独立資金として残って居なければならなかったはずなのに。

11月末で定年を迎えるので、あと5か月の辛抱。
もう入金をする予定は無いし、何よりも記帳する事も日々の様子を見ている事も苦痛で、
なんだか空恐ろしくなってしまうのである。
一刻も早く離れなければ。
一刻も早く。


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