オランダのインテリア雑誌を買って来ました。レストランに入っても、街の小さなお店でも、個人宅でも、内装を含めたインテリアのセンスは日本とは比べられない美しさです。
日本でも、北欧から南仏まで、様々なインテリアが買えるし流行していますが、本場のようにはいきません。
決定的な違いは、そもそもの建物にある事は間違いないと思います。何しろ、ふんだんに使われた木や内装、ファニチャーの歴史が違います。そして天井高と広さも。
Rも彼のお母様も1人暮らしですが、どちらも広い2ベッドルームです。 日本のようなワンルームは、学生用にはあるようですが、6畳一間などという事は無いのですね。
そして、家についての考え方も違っています。住宅難のオランダでは、賃貸物件を借りるのに数年待ちは当たり前で、Rの部屋も2年待ちだったそう。
借りられた部屋をいかに居心地良くして行くかと考える時に、日本のように、北欧風にまとめようとか、パリのアパートメントのようにしようと、最初から考えないようです。気長に気に入った家具を置き、欲しく無い物は買いません。
どんな家具が好き?と訊いたら、Rは "スカンジナビア" と即答しましたが、だからといって、部屋が北欧家具でまとめてあるかというと、違うわけです。
お母さんの家にもRの部屋にも、所謂、食卓がありませんでした。
それは子供のいるようなファミリーには必要だけれど、1人で食卓に座るよりも、居心地良いソファーとコーヒーテーブルさえあれば、シンプルな食事は出来てしまうという考えです。
そして、好みの絵や陶磁器や置物、思い出の写真が、ランダムに置かれています。
スピーカーの上に、形の良い磁器ののフラワーベースが置いてあったのですが、それが3日後には、クリスタルの飾り皿に替わっていました。
観察していたら、掃除の時に、何気なく置き換えたりしているのです。前日に床に直置きされていた版画が、次の日には書棚に飾ってあったりして、 あまり深く考えている様子はありませんでした。
日本の場合、アタシもそうですが、完成系のイメージが先行してあって、そこに到達する為に次に何が欲しいかと考えがちですけれど、そもそも向こうの場合、その完成系が無いんだなぁと思いました。
とても流動的です。しかし、寝心地の良いベッド、清潔なベッドリネン と毎朝のベッドメイキング、二種類のピローの重ね方、はたまた、寝具の使い方などは、きっちりしています。
パートナーとは、ダブルやキングサイズのベッドを共有しますが、マットレスをセパレートにするか、毛布を共有するか否か等について、体格や好みに合わせつつよく話し合って決めるそうです。
アタシに与えられたベッドは小さなシングルサイズでしたが、コットンの布と薄い掛け布団が重ねられ、硬めのピローの上に柔らかいピローが重ねられていました。寒かったらこれを使えば良いと、また別の毛布が足元に用意されていました。
それはインテリアセンスというよりも、文化と習慣なのですね。
そんなRですが、世界各国を旅して来て、ベスト1の寝心地は日本のホテルのベッドだったそう。
日本は、相対的なインテリアや装飾センスよりも、拘りを追求したベッド、徹底的に使い心地を追求したトイレなどが優れているようです。
日本人はシメントリーを好む傾向がありますね。きちんと並べ左右対称。ヨーロッパは、そもそもがアシメントリーでランダム。
この辺りは、国民性であり気質であり、どちらが良いというものでもありません。
なんか思い通りのインテリアにまとまらないという話をよく耳にしますが、それは多分、◯◯風を目指すから。
日本人ではありますが、日本家屋ではなくて、建て売り住宅や箱型のマンションに住むアタシたちには、そもそも自分らしい室内空間を求める事が難しいという事を痛感しました。
ちょっと残念だよね。
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